スターマー英首相、バーナム氏と会談 「秩序のとれた」権力移行を模索するなか

スターマー氏とバーナム氏の顔写真を横に並べた画像。2人とも黒い縁のめがねをかけている

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画像説明, イギリスのスターマー首相(左)とバーナム下院議員
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ブライアン・ウィーラー政治記者、ヘンリー・ゼフマン政治担当主任編集委員

イギリスのキア・スターマー首相は23日、与党・労働党のアンディ・バーナム議員と会談した。スターマー氏とバーナム氏が会談するのは、バーナム氏が先週イングランド北西部メイカーフィールドで行われた補欠選挙に勝利し、下院議員に復帰して以来初めて。

約1時間の会談については、英紙タイムズが最初に報じた。

スターマー氏は22日に労働党党首を辞任すると発表演説や翌日の閣議で、「秩序のとれた」権限移譲を重視すると強調している。

そうしたなか、首相はバーナム氏との会談に先立ち、次の労働党党首の候補者らが政府運営に備えて公務員と事前協議することを認めた。

現時点で次の首相候補に浮上しているのはバーナム氏のみ。対抗馬が現れなければ、同氏は早ければ7月17日にも、次のイギリス首相に就任する可能性がある。

BBCの取材では、バーナム氏は首相となった場合、財務相を交代させ、レイチェル・リーヴス財務相には、下級または中堅レベルの閣僚ポストを提示する見通し。英紙フィナンシャル・タイムズが最初に報じた。

バーナム氏の支持者の1人はBBCに、「アンディはレイチェルを非常に尊敬しており、彼女を主要チームに迎えたいと考えているのは間違いない」と述べた。

一方で、バーナム氏の広報担当は、何も決まっていないと述べた。BBCはリーヴス氏にもコメントを求めている。

首相の右腕を務める財務相に誰がなるかは不明だが、これまでにエド・ミリバンド議員、ウェス・ストリーティング前保健相、ジョン・ヒーリー前国防相、イヴェット・クーパー外相らの名前が挙がっている。

また、バーナム氏に近い2人の関係者によると、同氏は閣僚経験者のジェイムズ・パーネル氏を、首相官邸の首席補佐官に任命する見通しだ。

パーネル氏は2007年から2009年にかけ、ゴードン・ブラウン政権で文化相および労働・年金相を務めた。2010年に政界を退いた後、BBCの上級幹部や大学の副学長を歴任し、直近ではロビー活動および戦略会社フリント・グローバルの最高経営責任者を務めている。

スーツ姿の男性2人が歩いている

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画像説明, バーナム氏(左)とパーネル氏はゴードン政権で同僚だった(2009年撮影)

公務員との事前協議

公務員との事前協議は通常、総選挙に先立って野党党首に対して認められるもの。

スターマー氏の報道官は、事前協議は「可能な限り早く」開始され、どのような党首選になるとしても、正式な指名締め切りである7月16日より前に行われると述べた。

また、協議では「政府の形成と主要な政策上の優先事項」に焦点を当てるほか、安全保障に関するブリーフィングも含まれると、報道官は付け加えた。

一方、バーナム氏が正式に事前協議を要請したかは把握していないとしつつ、こうした協議を可能とする決定は、ごく最近になって下されたばかりだと述べた。

報道官はまた、スターマー氏が23日朝の閣議で、次期首相となる人物が成功することを望んでいると述べたとした。

首相は閣議で、「後任を支えるため、今後数週間で困難な問題の解決を図る」とともに、「移行を可能な限り円滑にするよう努める」と述べたという。

閣議では、新しい首相が就任するまでの間、「主要な政策」および支出に関する決定を見送ることが決まった。

バーナム氏は、自分が率いる政府の財務相など主要ポストの人選を明かしておらず、詳細な政策課題もいまだ提示していない。

同氏は今後、スターマー首相の手法からの転換を示すために一連の演説を行う予定。来週にはその第1弾として、権限移行と経済に関する演説を行う見通しだ。

先週までグレーター・マンチェスター市長だったバーナム氏は、メイカーフィールドでの補選勝利を受け、22日に議会に復帰したばかり。すでに、政府の借り入れの大幅増を監督することはないとの姿勢を示すものとして、リーヴス財務相の財政ルールを順守すると約束している。

また、所得税や付加価値税(VAT)、国民保険の主要税率を引き上げないとする、前回総選挙での労働党の公約を守ることも約束している。これは、税収によって多額の財源を確保する能力を制限することになる。

一方でバーナム氏は、水道を含む公益事業に対する公共の統制の拡大や、公営住宅の増設、さらに経済の「再工業化」の必要性についても言及しており、これらを含む複数の優先事項を掲げている。

他に候補者は出ないのか

こうしたなか、総選挙を経ずにバーナム氏を首相に据えることを懸念する一部の労働党議員の間では、首相官邸のダレン・ジョーンズ首席首相秘書官やアル・カーンズ前軍務相が、潜在的な対立候補として検討されている。

ただし、両者が立候補に必要とされるだけの支持を集められるかどうかは不明だ。

ジョーンズ氏は、現時点で出馬する意向はないと述べつつも、市場が動揺するのではないかという懸念が一部で指摘されるだけに、経済政策に対するバーナム氏の姿勢について、確約を求めたい考えを示した。

カーンズ氏はBBCの番組「ニュースナイト」に出演した際、党首選に立候補するかは依然として検討中だが、バーナム氏がどのような政策を「推し進める」計画なのかを見極めたいと話した。

「彼を支持すると決める前に、私はその(政策の)中身を見る必要がある」と、カーンズ氏は付け加えた。